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>>>選手への誹謗中傷<<<
 カタールW杯が大いに盛り上がった。日本は優勝候補のスペイン、ドイツと同じグループリーグでありながら、両国を破り決勝トーナメントに進出。残念ながらベスト16で敗れてしまったものの、素晴らしい戦いを見せてくれた。一方で、SNS上では選手や監督らに対する誹謗中傷が投稿されたことが問題になった。コスタリカ戦に敗れた際、選手へのSNSに誹謗中傷のコメントが殺到していたという。元日本代表の本田圭佑氏も「安易な批判はやめるべきだ」と苦言を呈すなど、かなり酷い言葉が散見されていたようだ。
 こうした事態を見越し、国際サッカー連盟と国際プロサッカー選手会は大会前に、W杯への出場選手をSNSの誹謗中傷から守る方針を示しており、選手のアカウントを監視し、差別や脅迫などのコメントがあった場合には、運営元や法務当局に通報する仕組みを構築しているという。悪質な投稿には、法的措置を含めて毅然とした対応をして欲しい。
 誹謗中傷はSNSを通して可視化され、本人に直接見える形で届くようになった。ツイッターやインスタグラムなどは選手とファンをつなぐ役割を果たす一方、匿名で安易に悪質な投稿ができるようになってしまう。選手もこうした誹謗中傷を受けることで、メンタル面への影響があるだろうし、パフォーマンスの低下につながってしまうだろう。SNS上の誹謗中傷を完全に無くすことは難しいのかもしれないが、選手を守るような制度を構築して欲しいと切に思う。
(2022年12月16日掲載)