薬事ニュース社
オピニオン

>>>訛りの継承<<<
 東京に出てきてずいぶん経つ。よく人から訛りがないことを指摘されるが、相手が標準語のイントネーションで話しているときには、なかなか訛りは出てこないものだ。ただ、頭の中にはしっかりと残っており、地元が舞台のドラマや映画で「このイントネーション違うな」と思うと内容に集中できなくなる。標準語が浸透した現代においても訛りは重要な文化だと思う。
 先日、田辺三菱製薬が新しい本社ビルに開館した史料館に伺った。1678年の創業から約330年に及ぶ同社の歴史や当時の資料などに加え、製薬業界を目指す学生に向けた創薬技術の説明、小学生くらいの子供たちに向けた薬とからだの関係について学ぶコーナーなど充実した内容となっていた。中でも個人的に興味をもったのは、アニメーションで12代目が語るという設定で、明治初期の道修町について映像で説明するコーナー。イントネーションなど当時の言葉を再現しているとのことで同社が歩んできた歴史の世界に入り込んだ気持ちになった。
 なお同館は一般公開もしており、来館予約は史料館のホームページ(http://www.mtpc-shiryokan.jp/)にて受け付けている。
(2015年5月15日掲載)