薬事ニュース社
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>>>初の女性会長への期待感<<<
日本保険薬局協会は5月20日に開いた定時総会で、新会長として藤井江美氏(アイセイ薬局代表取締役社長)を正式に承認した。組織初の女性会長に集まる期待は否応なしに高まっている。振り返ると三木田慎也・前会長は、首藤正一元会長の会社における不祥事の引責辞任で急きょバトンタッチされるかたちで会長職に臨んだ。任期中に2回の調剤報酬改定に対応したが、「会員に謝罪したい」と退任会見で首を垂れるほど、逆風にさらされる中で職務を全うした。退任時には自身の任期を3年7か月と言い間違え、事務局から2年7か月と訂正されると、「それくらい時間が長く感じた」と会長職の重責を打ち明けた。さて、藤井会長には就任のお祝いムードとはほど遠く課題が山積している。象徴的なのが2026年の調剤報酬改定で導入された「門前薬局等立地依存減算」で、既に反対意見を組織として掲げているものの、6月1日以降に新規開局する保険薬局においては、その要件を満たす場合は減算措置の対象となる。これに関連して財務省の諮問機関である財政制度等審議会からも、減算措置の効果を検証したうえで、既存の門前薬局にも適用を拡大するべきという考えが示されたほか、薬局の開業そのものへの制約ではない保険調剤への参入規制の導入なども主張している。これらはいずれも「門前薬局」というビジネスモデルに対する強烈な“ダメ出し”以外の何ものでもない。2015年に厚労省が掲げた「患者のための薬局ビジョン」で、全ての保険薬局に対して、「立地から、かかりつけ、そして地域へ」とビジネスモデルの転換を求めてきたが、この10年間ではほとんど変化がなく、現場の足が重いことへ厚労省が業を煮やした格好だ。減算措置に抗議した記者会見でNPhAは、「減算措置は保険薬局のイノベーションを阻害する」と記した。日本独自のかたちで浸透した門前薬局は、高齢・人口減少社会が進む地域医療において、どのような貢献を果たすのか。NPhAが主張するイノベーションがどのようなものか。藤井会長の采配が数十年先の保険薬局業界に影響を与えると言っても過言ではないだろう。
(2026年6月12日掲載)