薬事ニュース社
オピニオン

>>>もうすぐ「薬と健康の週間」です<<<
 ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン……いきなりカタカナ名を羅列されても興味のない方にはさっぱりだろうが、B・ジョーンズはローリング・ストーンズのギタリスト、J・モリソンはドアーズのボーカリスト、K・コバーンはニルヴァーナのボーカリスト兼ギタリストと書けば、おや、と思う方もあろう。これ、いずれも一世を風靡し、そしていずれも27歳で他界した有名ロックミュージシャンのリストで、ずばり「27クラブ」と呼ばれているとか。今年7月にはこのリストに、グラミー賞受賞歴もある英国人女性歌手のエイミー・ワインハウスさんが加わり、世界中がその早すぎる死を悼んだ。そして、ここに名を挙げた全員が、程度の差こそあれ酒とドラッグに溺れた経歴をもち(K・コバーンは双極性障害にも苦しんでいたとか)、それが死の直接的/間接的引き金になったとされる。タバコ同様、アルコールやドラッグも依存性が非常に高く、ひとたび依存症状を呈してしまうと回復に大変な努力を要することはよく知られているが、それでも健康被害が後を絶たないのは、人間の弱さ故か。
 しかし、そう言っては身も蓋もない。折りしも、毎年恒例の「薬と健康の週間」の季節である。今年も自治体や薬剤師会主催による啓発イベントが各地で予定されているが、その主役を担うべき薬剤師会の周辺がどうも最近、騒々しい。埼玉県薬元会長薬局での調剤事故に、総本山たる日薬会長の過去の不正請求発覚と不祥事が続発。東日本大震災の医療現場では一躍、名を馳せた薬剤師なのに、そうした名誉に自ら泥を塗るかのごとき体たらくである。しかし、内紛まがいの醜聞にかまけている場合ではないですよ、薬剤師さん。このあたりで「薬の専門家」としての本来の役割を広く国民にアピールしておかないと、ただでさえ財源の乏しい次期診療報酬改定で思わぬ泣きを見る破目になるのでは?
(2011年10月14日掲載)