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>>>休暇の分散化<<<
 国土交通省の下に設置された観光立国推進本部。このワーキンググループで導入が検討されている休暇分散化について、いよいよ議論が活発になってきた。具体的には、5月のゴールデンウィーク並びに10月のシルバーウィークを、地域ブロック別に日程を分散して取得させることなどを想定しており、国土交通省では、需要の平準化を通じた旅行コストの低減や観光産業の生産性の向上・雇用の安定化等様々な効果をもたらすものとして期待をかけている。
 期待の声がある一方、関係者へのヒアリングからは、休暇分散化について、必ずしも前向きな意見は出されていない。全国展開しているメーカーおよび周辺企業への影響や、勤務先や通学先の所在地により家族の休日が異なる可能性などを危惧する声があがっているのだ。こうした意見については、勤務日の調整や有給休暇の取得などでの対応が十分考えられるが、本来その効果が期待されていた地方活性化、産業における需要の喚起という点については、より慎重な検討が必要となるだろう。
 この休暇分散化、もし導入された場合、医療分野においてはどのような影響があるのだろうか。地域ブロック別での設定であることや、他の業種と比較して休日における影響を受けにくく、休日でどうこうという環境でもないことから、大きな混乱はみられないと考えられる。ただ、近く来るかもしれない事象についてシミュレーションをしておくことは、当然必要となる。
(2010年3月19日掲載)