薬事ニュース社
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>>>専門薬剤師と広告<<<
 薬事法の一部を改正する法律が6月1日に施行され、一般用医薬品の販売方法が変わった。リスクの程度に応じた情報提供と、相談体制を整備することを目的に行なわれたこの法改正により、特にリスクが高いとされる「第一類医薬品」を唯一扱うことができる薬剤師に注目が集まった。薬剤師にとっては、職能をアピールする良い機会ではなかろうか。
 近年、医療従事者は「医師」や「看護師」といった職業としての専門性だけではなく、「○○専門医」というような、専門性資格を名乗る、または求められる機会が増えてきた。各学会が認定する専門性資格の肩書きは、資格保有者のみならず、所属する医療機関にとって大きな宣伝効果が期待できる。もちろん、医療広告として広告可能な資格は、国の認可を得たものでなくてはならず、何もかも広告に用いて良いというものではない。不思議なことに、現在、国のお墨付きを得ている広告可能な資格をみると、薬剤師に関する資格が存在しない。同じ医療従事者である医師、歯科医師、看護師にはあるというのに、だ。
 新しい動きとしては、がん専門薬剤師など、これまで薬剤師の専門性資格に積極的に取り組んできた日本病院薬剤師会が、日本医療薬学会と共に、国の許可を得て薬剤師の専門性資格を広告に使えるよう動き始めた。薬剤師が今後、登録販売者との差別化、職能をアピールする上で、専門薬剤師という資格に着目することは特に重要だと考えられる。
(2009年6月29日掲載)