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>>>診療報酬改定とクリスマス・ストーリー<<<
 このところ連続して引き上げのない診療報酬改定。しかし08年度改定の本体改定率については、少しだけプラスに転じそうな流れがほぼ確実となった。12月12日時点で本紙試算ではその数値は±0~0・2%。この拙文が衆目にさらされるころはクリスマス・シーズンの真っ只中だが、診療側にとってはちょっとしたクリスマスプレゼントにはなるだろうか。
 クリスマスプレゼントを配るのは一応、サンタクロースのお仕事。そのサンタさんは、厚生労働省から“メタボ”と叱責を受けそうな腰周りのわりに、意外と身軽なようで、たいてい煙突からやってくることになっている。
 古今東西、天に向ってまっすぐ伸びる塔や柱の類は、天から精霊や神様が降りてくる際の通り道を象徴する例が多い。聖ニコラウスをモデルとし、現在では妖精化されたサンタさんも、俗世間の出入り口であるドアではなく、天の道を通って各戸にやってくるという設定だ。診療報酬本体のプラス改定も、お上(財務省袋を抱えた福田サンタ)から煙突(厚労省)を通じてプレゼント(財源)が配られるという構図に見えなくもない。
 サンタクロースにまつわるクリスマス・イベントには、世界に様々なものが存在する。特にドイツやオーストリアのそれがちょっと面白い。サンタクロースのモデル・聖ニコラウスに扮した人が「クランプス」という怪人を連れて街を練り歩き、良い子にはプレゼントを、悪い子にはムチでお仕置きをさせるのだとか。この構図も財源の適正配分を迫る中医協的なイベントに見えてしまう。どこが良い子と見なされアメが与えられ、どこが悪い子と見なされムチのお仕置きを受けるのか。個別項目の点数配分議論もこれからだ。
 今はひとまずハッピー・クリスマス。良いお年を。
(2007年12月21日掲載)