薬事ニュース社
オピニオン

>>>人に先ずよく教え習わせ<<<
 行政を取材するようになってつくづく感じることは、これまで国の制度やしくみに関して、まったく無知であったということ。今でもわかるのは氷山の一角だが、この間までは、こんな制度があるとか、国はこういうふうに動いているとか、まったく知らずに生きてきた。でも、半分言い訳だが、それって自分のせいなのか。戦国大名の島津家が藩士教育の一環として制作した「島津いろは歌」にこんな歌がある。「もろもろの国や所の政道は 人に先ずよく教え習わせ」訳は、国や地方の制度や法令は、まず人々によく教え習わせろというもの。立派な制度や法令も、住民に周知されなければ意味なしといったところか。
 話は変わるが、「戦国鍋TV」が最近のお気に入りのテレビ番組だ。テレ玉(テレビ埼玉)などで放映しているローカル番組である。番組のサブタイトルは~なんとなく歴史が学べる映像~。歴史上の人物をモデルとしたアイドルが史実に基づいた歌を歌ったり(今は「浅井三姉妹」というユニットが流行り)、刑事ドラマ「戦国にほえろ」では、歴史上の人物をモデルとした刑事が史実になぞらえた殉職をしたりとなかなかおもしろい。本当に、歴史をなんとなく学べた気がする。
 国の制度や法律も、小難しい言葉を羅列することなく、もっと敷居を低くした周知ができないものだろうか。きっちり教えなくても、「なんとなくわかる」程度でよい。まあ、それをするのがマスコミの役割でもあるのだが。
(2011年6月10日掲載)