薬事ニュース社
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>>>新しい薬剤師像<<<
 今年初の日本薬剤師会の都道府県会長協議会。この冒頭の挨拶で、山本信夫会長は、3月に予定されている会長選挙への出馬を表明した。改正薬機法への対応を行った上で次に繋げたい考えを示しているが、日薬の会長選といえば4期目への出馬は鬼門。昭和55年以降で4期を務めたのは高木敬次郎氏のみで、これまで何人かが挑んではきたものの結果を残すことができなかった。
 山本会長の直近の実績を振り返ると、130年間変わることの無かった薬局の概念を「大きく変える」と言われている改正薬機法に関わったことは一つ挙げられるだろう。また、2020年度調剤報酬改定におけるプラス改定をはじめ、〝調剤0.3〟の分配比率の維持や18年度改定で設定された〝外枠〟の撤廃も実現した。日本保険薬局協会やチェーンドラッグストア協会との新たな関係構築にも動き始めた。連盟の組織内統一候補である本田顕子氏の参院選の当選や、〝敏腕〟の前厚労省監麻課長である磯部総一郎氏を迎え入れたことも大きいだろう。
 ただ選挙となると実績が会員にどのように評価されるかが重要になる。傍から見れば、これらの多くに日本の薬局・薬剤師の将来に向けた大局観が反映されていると感じが、それが会内で共有出来ているかは未知数であるし、正解かどうか判断するには日が浅すぎる。山本会長が描く「新しい薬剤師像」は受け入れられるのか。会長選の行方に注目していきたい。
(2020年1月24日掲載)