薬事ニュース社
オピニオン

>>>正月気分のその次は<<<
 正月気分もそろそろ落ち着いてくる頃だが、1月17日は特別な思い入れのある日だ。19年前の同日、神戸市を中心に震度7の強い揺れが襲い、大きな被害をもたらした阪神大震災が発生した。当時はまだ小学生だったが、この日が来るたびに年月の流れの速さに驚かされる。
 震災発生時、私は震度7を観測した地域に在住していた。とはいえ家族も住まいも無事だったので、自分を「被災者」と呼ぶことは何となく気が引けるが、水道やガスがなかなか復旧せずに難儀したことや、学校のグラウンドやいつも遊んでいた公園に仮設住宅が建ち並んでいる光景を今でも思い出す。
 阪神・淡路大震災以降も04年の新潟県中越地震や11年の東日本大震災など、大きな震災が発生すると、日本が地震大国だということを実感させられる。これまでの震災の教訓から防災への意識は高まっているにもかかわらず、東日本大震災では津波の発生や原子力発電所の事故なども重なったこともあり、あまりにも被害が甚大なものになってしまった。
 昨年は東京オリンピック開催の決定に日本中が大いに沸き、今後は新たなスタジアムの建設や交通インフラの整備などによる経済効果に期待する人も多いだろう。一方で人材や資金が東京に集中し、東北地方の復興が遅れることを懸念する人もいる。世界一の「おもてなし」に向けて意気込む気持ちは否定しないが、一日でも早い復興を待ち望む人が多くいることも忘れてはならない。
(2014年1月17日掲載)