薬事ニュース社
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>>>継続する「門前薬局」対策<<<
 「医薬分業はまだ道半ばだ」――。先に開催された政府の規制改革会議による公開討論で、厚生労働省の吉田学審議官(医療介護連携担当)はこのように主張する。そして厚労省のスタンスとして、特定の医療機関からの処方せんを集中して受ける、いわゆる「門前薬局」対策に力を注いでいると現状を訴えた。
 医薬分業をテーマにした先の討論会では、医療機関の敷地内での薬局開設を禁止する規制や、院内処方と比較した際の院外処方のコストパフォーマンスが論点となったが、いずれの議論でも厚労省側は「医療機関内に薬局を置けば、そこに処方せんが誘導され、結果として『門前薬局』の助長になるだけだ」(成田昌稔・医薬担当審議官)といった反論を繰り返した。
 多くの関係者の間では、16年度調剤報酬改定でも14年度改定に引き続き、「門前薬局」対策が俎上に載せられるとの見方で一致している。14年度改定では、薬局の規模や立地などに着目し、調剤基本料「特例」部分や基準調剤加算の要件などを厳しくした。それでは、次の16年度改定においては何を基準に「門前薬局」対策を行うのか。一部の関係者の間では、チェーン薬局で発覚した「薬歴未記載問題」を踏まえ、その要因ともなった「薬剤師の常駐人数」が、1つの論点として浮上するのではないかとの憶測もあがっている。
(2015年4月24日掲載)