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オピニオン

>>>自民党は変わったか<<<
 自由民主党の圧勝に終わった2012年の衆院総選挙。私の住む地域の選挙区でも、自民党の候補者が当選した。
 この選挙区には民主党の閣僚経験者がいたためか、野田佳彦前総理をはじめ、安倍晋三自民党総裁、小泉進次郎自民党青年局長など、同選挙区始まって以来といっていいほど大物議員が続々と応援に駆けつけた。また、みんなの党と日本維新の会といった第三極の候補者もいたが、勢いは感じられなかった。
 そんな中、当選した自民党候補者は、いわゆる落下傘候補。名前も経歴も知らない候補であったが、閣僚経験者の民主党候補をみごとに破っての初当選となった。自民党の勝因として民主党政権への失望、第三極の調整不足などいろいろささやかれたが、この選挙区は今回の総選挙を表す縮図の一つのような選挙区だったと思われる。
 私の実家は、建築関係の自営業をしているが、地元の不動産業界はいち早く自民党支持を決めたらしく、わが家にも元請企業から自民党推薦の声が届いたそうだ。自民党の打ち出した「国土強靭化」といった施策が、不動産業界や建設業界の耳に心地よく響いたであろうことは想像に難くない。わが家の家長も自民党候補者の推薦人の一人に名を連ねた。
 「自民党は変わった」と安倍総裁は言う。しかし、こうした一連の流れを耳にすると、そんな印象を受けないのは私だけだろうか。もちっとも、自民党を見る周囲の目のほうが変わっていないということなのかもしれないが。
(2013年1月18日掲載)