薬事ニュース社
オピニオン

>>>個人的にはイスタンブールが<<<
 2020年の五輪開催地が東京に決まってから2か月が経った。お祭り騒ぎも一段落したところで正直なところを言えば、個人的にはイスタンブールでの五輪が見たかった。とはいえトルコに特段の思い入れがあるわけではなく、「どうせならこれまでとは違う国で見たい」「イスラム圏での開催も面白そう」という程度の発想だ。しかしそんな話を周囲にしてみると、意外と非国民扱いされることもなく、賛同者も多かったりする。それ以上に多いのは、東京開催が決定したにもかかわらず、未だに興味ナシという人。自分が住んでいる街での五輪開催というのは、良く考えれば相当レアな体験になるはずなのだが、実際のところはそんなものか、と思う。
 ちなみに周りの東京在住者に聞いた限りでは、今回の東京開催決定を最も喜んでいたのは知り合いのスペイン人だった。理由は「(通訳の)仕事が増えるから」と単純明快。対立候補のマドリードがあと一歩で開催を逃したことなど、全く意に介していない。それどころか「今のスペイン経済の状況知ってる? 落選して本当に正解」とのこと。知ってる。経済効果で景気がどうのとか言っていられるうちは、まだ恵まれているということなのか。
 今回は国内政治が微妙な国と、国内経済が微妙な国と、原発問題が微妙な国が開催地を争って、原発の国が何とか勝利を手に入れた。しかし開催までの道のりには課題も山積している。オ・モ・テ・ナ・シの心だけでは乗り切れるはずもない。とりあえず開催が決まった以上は、無事に成功を収めて、ついでに経済効果が日本全国に大きく波及することを願うばかりだが、さてどうなるだろう。そのあたりは微妙か。
(2013年11月15日掲載)