薬事ニュース社
オピニオン

>>>もっと〝良い気〟を!<<<
 デフレと円高からの脱却、3%以上の経済成長達成などを掲げている現政権の経済政策が功を奏しているのか、または別の要因からなのか、あるいは単にメディアの先走りなのか、この1~2ヵ月、少しずつ景気の良いウワサが聞こえつつある。かつてバブルを享受したらしきTVキャスターは「景気は〝気〟なんだから、この気運を盛り上げていこう」と煽る。久々に浮かれてみてもいいのかな、とも思う。それほどこの10数年の間、日本は挫折を味わい続けていたし、痛めつけられていた気がする。まさに気の持ちようというのは考える以上に重要で、ネガティブな環境には次から次へと〝悪い気〟が舞い降り、殺気だった場所には悪い事が起こり、逆に気持ちの良い環境にはポジティブで良心的な人が集まり、それがさらに「類は友を呼ぶ」で良い気の流れを生んでいく。何だかエセ宗教家の説法みたいに聞こえるかもしれないが、このところ周りの環境を見ていると、その定理を実感することもしばしばだ。
 究極のところ、人は何のために生きているかと言えば、「気分が良い」「楽しい」「充実している」という〝良い気〟を味わうのを目的に生きているようなものだ。そのために様々なサービスが生まれ、製品が作られている。気分が良くなるようなサービスを提供し、気分が良くなるような製品を作り続けていると、そのうち日本は長い挫折から立ち直ることができるのかもしれない。しかし、ちょっとでも山っ気や色気を出すと、かつてのバブル崩壊の二の舞を踏むことになるかもしれないので、気をつけたい。
(2013年4月5日掲載)