薬事ニュース社
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>>>落ち続ける株価<<<
 昨年9月に開催された第20回DPCマネジメント研究会学術大会で、日本大学国際関係学部の水野和夫教授が「資本主義の終焉と歴史の危機」と題し、講演を行った。当時も世界同時株安が進んでいた。中国の経済指標の悪化が主な原因だったが、水野氏は中国経済のバブルが弾けた可能性があると指摘していた。その後株価は持ち直したように見えたが、年を明けた途端、坂道を転がるように株価は落ち続けている。
 こんなとき、安定的な業績が期待され、配当利回りもよい医薬品関連株が買われる傾向があるといわれるが、今回は引きずられるように値を下げている。中国経済の減速懸念と原油安、欧州銀行株の下落、そして日本銀行のマイナス金利も影響してか、反転が期待できる環境とは言えない。医薬品関連についても、後発医薬品使用促進策が進む中、新薬メーカーは生き残りをかけて事業再編等を進めている状況で、「安定的な業績が期待される」銘柄とはなっていないということだろう。バイオベンチャーもしかりで、昨年上場したサンバイオやヘリオスも1000円を割り込み、大きく公募割れしている(執筆時点)。ペプチドリームがひとり気を吐いているといったところか。
 このまま世界同時株安が進めば、消費税率引上げを再延期すべきという声が強くなっていくのは間違いない。憲法改正に注目が集まっているが、予定通り消費税率引上げを進めるのか、それに伴い3年連続の薬価改定を行うのか、注視していきたい。
(2016年2月19日掲載)