薬事ニュース社
オピニオン

>>>値上げの春<<<
 最近、買い物をしていて物価が上昇していると痛感する。パンなどの食料品から、トイレットペーパーといった日用品までまんべんなく値上げしている。記者会がある神田界隈の飲食店でも、行きつけの店はほとんど値上りしてしまった。なんと駄菓子の「うまい棒」ですら、42年前の発売から初めて値上げするという。今まで値段が据え置きだったことにも驚きだが、それだけモノを取り巻く環境が悪化しているということだろう。
 その原因は、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う、原油価格や原料の高騰だ。さらに資源や食料を輸入に頼っている日本にとって20年ぶりの円安水準であることや、新型コロナ感染拡大によるサプライチェーンの混乱も影響している。価格の高騰が国民生活や経済活動に重大な影響を及ぼし、コロナ禍からの経済回復を妨げることは明白だが、これらの問題が解決する見通しは立っていない。むしろ、物価の上昇はこれから本格化するという気さえする。
 ロシアによる軍事侵攻は、令和の時代でまさか戦争と衝撃を受けたが、どこか対岸の火事に様に感じていた。だが、グローバルに経済がつながった現代では一つの戦争により、目の前のモノにこれほど大きな影響を与えるのかと痛感している。これから世界的に、歴史的な高インフレになる可能性もあるという。戦争の影響が、本格的に全世界に牙を?くのはこれからなのかもしれない。
(2022年4月29日掲載)