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>>>サンバイオ、ヘリオスが上場<<<
 国内再生医療ベンチャーの動きが活発化している。神経機能を再生させる再生医療製品を開発しているサンバイオは、4月8日に東証マザーズに上場した。iPS細胞由来網膜色素上皮細胞を用いた加齢黄斑変性等の治療法を開発しているヘリオスも6月16日に東証マザーズに上場する予定だ。一方、多能性幹細胞「Muse細胞」を用いて心筋梗塞等を対象に再生医療製品を開発しているClioは、生命科学インスティテュート(LSII)に買収されることで三菱ケミカルHDの傘下に入る道を選んだ。莫大な研究開発費をどう賄うかが、各ベンチャーにとって最大の課題なのだ。LSIIの木曽社長は記者会見で「医療に新たな選択肢を提供したい」と述べたが、本当にそうなり得るのか。製薬企業を始め、多くの目が行く末を見守っている。
 そう考えると、サンバイオの株価の動きが興味深い。IPO時の公募価格は2000円を付けたが、上場後初値は約1700円と公募割れし1400円台まで急降下した。その後は公募価格を一時超えたが、6月3日現在は1700円台を維持している。いろいろな思惑があるので一概には言えないが、シンプルに考えると、再生医療開発側の期待は高いが、周囲の見方はまだ懐疑的ということだろう。このような動きを参考にしたのか、ヘリオスの仮条件は1100円~1200円となった。ヘリオスの初値がどう付くか、サンバイオが公募価格を超えるのはいつなのか、興味深く見ていきたい。
(2015年6月12日掲載)