薬事ニュース社
オピニオン

>>>芸能人の麻薬事件<<<
 連日、テレビのワイドショーや雑誌・新聞紙面等で取り上げられている、芸能人による麻薬事件のニュース。流行り廃りの激しい芸能界で、心身共に疲れきってしまい、ついつい手を出してしまったのだろうか。彼らを支えてきたファンは当然として、ファンではなくとも「何故この人が?」と驚いた人はきっと多いに違いない。
 芸能人による麻薬事件は、昔から絶えることなく発生してきた。事件が公になる度、世間に大きな衝撃を与え、戒めとなったはずなのだが、業界全体として麻薬に対する認識が甘いのか、はたまた麻薬が蔓延する構造的な問題があるのか、残念ながら一向に減る様子は無い。いつも感じることだが、この機会に業界を挙げて取り組み、同様の不祥事が2度と起こらないことを強く望む。
 ここ数年の麻薬絡みの事件を振り返ると、芸能界以外にも、相撲界や大学生による事件などが記憶に新しい。また、その内容も麻薬の所持や使用に加え、麻薬原料の栽培に関する内容も多くなったように感じる。おそらく、今の日本における麻薬汚染は、我々個々人が想像しているよりもはるかに進んでしまっているのだろう。
 もしそうだとするならば、最早猶予は無い。より一層、国を挙げての対策を打つことは当然考えなければならない。ただ、決定的に重要なことは、どんなに麻薬の誘惑に触れる機会が多くなろうとも、実際に手を出すかどうかの意思決定は、己自身が決めるということ。断る勇気、これを忘れてはならない。
(2009年8月21日掲載)