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>>>中医協の新会長の手腕に期待?<<<
 「エビデンスに基づいた議論をお願いしたい。私自身、研究者なので『何となく分かる』とか、『阿吽の呼吸』は嫌いだ」――。4月20日の中央社会保険医療協議会(中医協)・総会で、遠藤久夫会長(学習院大学経済学部教授)の後任として、新会長に選出された森田朗委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は就任に際する挨拶で、診療・支払側委員に対してこのように語った。
 遠藤前会長は在任中において、各委員の発言を分かりやすく整理し、まとめていく議事進行に定評があった。実際に傍聴者からもこうした声は良く聞かれていた。この点については森田新会長も「遠藤前会長のように、委員の発言を鮮やかに整理する能力は持ち合わせていない」と認めている。冒頭の発言はこうした背景を踏まえて飛び出したものだ。
 一方で、森田会長は今後の議事進行について「会合の時間をもう少し考える必要がある。『熟議』が大変重要だと理解はしているが、時間も限られた貴重な資源。できるだけ有効に使うように配慮を頂きたい」とも主張している。昨今の中医協では予定時間を1~2時間オーバーすることも多い。
 同日の会合では、予定終了時刻の12時近くに終了。森田会長が「今後もこのようなかたちで会議を進行させていきたい」との発言で会議を締めくくった時、傍聴席からは大きな拍手が寄せられていた。
(2011年5月6日掲載)