薬事ニュース社
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>>>ピンク・エレファント<<<
 「ピンク・エレファントという名前のラグビーチームに入っているんだよ。変な名前の由来は、作家・ジャック・ロンドンが書いた『ジョン・バーリーコーン』に出てくる象で、要するに酔っ払いが酩酊したときに見えるピンクの象なんだけどね」。2代目の医務技監に就任した福島靖正医務技監は9月4日に行われた専門紙との共同記者会見終了後の談笑で、自身が所属するラグビーチームのことをはにかみながら紹介した。出身高校である県立熊本高校は全国高等学校ラグビーフットボール大会(いわゆる花園)に複数回出場する強豪校で、自身もラガーマンで高校、大学と長球を追いかけたと誇らしげに述懐する。医務技監への打診については驚いたと打ち明ける。「国立保健医療科学院の院長に就任してからは、これからは人材育成の立場と思っていた」との考えであったが、2月に横浜に寄港したクルーズ船への対応など、感染症対策の専門家としての手腕が評価された。ただ、医務技監への就任には複雑な感情が入り混じった。「鈴木康裕前医務技監は同い年で同期。それに一番仲が良くて飲みにも行く」と話し、引継ぎの際には「大変なときだけど頑張って」とエールも。コロナ対応と経済の両立が求められる中、そのバランス感覚が福島医務技監には問われる。「しばらくはお酒もラグビーも控えないと」と背筋を正した。
(2020年10月16日掲載)