薬事ニュース社
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>>>「銘柄変更不可」は問題か<<<
 14年度診療報酬改定の影響を調べた調査により、ジェネリック医薬品の銘柄変更を不可とする処方箋が倍増したことが中医協で報告された。これにより、ジェネリック医薬品の備蓄が不足した薬局が多くあり、「銘柄変更不可」が問題視されているという。
 ジェネリック医薬品はどれも同じ。おそらく、そういう考えが銘柄変更不可を問題視する背景にあるのではないか。ジェネリック医薬品は、どれも同じではなくなった。一つの製造業者が製造したジェネリック医薬品を複数の販社が販売しているケースもあるが、錠剤の小型化やOD錠の開発、少量規格、錠剤への印字など、ジェネリック医薬品にも差別化が進んでいる。例えば、一日に数種類の薬を服用する患者に対し、飲み間違いを防ぐために印字錠を処方することも行われているのだ。「処方医ではなく、病院のオーダリングシステムで銘柄指定を行っているケースが多い」との指摘もされているが、付加価値のあるジェネリック医薬品を選別して採用している医療機関もある。
 さらに、ジェネリック医薬品は三価格帯に集約された。今後は一価格帯も視野に入れた検討に入る方向だ。同じ価格だったら付加価値のある製剤がよいというのは通常の考え方だろう。今後も銘柄変更不可とする処方箋は増えていくことが予想される。備蓄不足は、銘柄変更不可の処方箋が問題なのではなく、安定供給の問題ではないだろうか。
(2015年4月17日掲載)