薬事ニュース社
オピニオン

>>>今年の流行語を占う<<<
 2020年のオリンピック開催地が東京に決定し、日本中が歓喜に包まれたのは記憶に新しいが、それにしてもオリンピック招致に向けた最終プレゼンで滝川クリステル氏が放った「お・も・て・な・し」のインパクトは大きいものだった。あの日以来、一体どれだけの人がこの言葉を口にしただろう。先月の日本薬剤師会学術大会では開催地だった大阪府の薬剤師会の方はもちろん、来年に開催される山形県の薬剤師会の方からも「おもてなし」の言葉が頻繁に飛び交っていたのが印象に残っている。
 この「おもてなし」を今年の流行語大賞の本命に挙げるならば、対抗馬となるのは高視聴率を叩き出した「半沢直樹」を象徴する台詞の「倍返しだ!」だろう。世のサラリーマンも上司や顧客の無茶な要求に対して心の中で叫んでいるのではないだろうか。さらには予備校講師でありながらテレビやCMに引っ張りだこの林修氏の「今でしょ!」もブームを呼んでおり、今年の流行語大賞は混戦になるかもしれない。
 一方、政治の世界に目を向けるならば、やはり安倍晋三首相の「アベノミクス」だろう。2度目の首相就任後に打ち出した経済政策が功を奏し、景気が少しずつ上向きになっていることもあり、「アベノミクス」は今のところ好印象を持たれているのではないか。ただ、難航しているTPP交渉や来年4月の消費増税の影響でこの評判が「倍返し」なんてことにならないためにも、政府や政治家には踏ん張りどころは「今でしょ!」という意気込みでがんばって頂きたい。
(2013年10月18日掲載)