薬事ニュース社
オピニオン

>>>しゃっくりとの戦い<<<
 米国で、5週間にわたって“しゃっくり”が止まらなくなっていた少女のしゃっくりが、このほどようやく止まったとの報道が出ていた。しゃっくりは、横隔膜のけいれんによって起こる症状で、通常は数分程度で治まる。しかし、数分とはいえこの症状が一旦出てしまうと「ヒック、ヒック」と煩わしい事この上ないのはご存知の通り。しゃっくりの世界最長記録である68年間には及ばないが、この話題の少女も、長く、本当に辛い5週間を過ごしたことは、想像に難くない。
 科学技術が進歩した現在でも、止める確実な方法は無いというしゃっくりであるが、故に、昔から「急に驚かす」「舌を強く引っ張る」といったものから「柿のへたを煎じたものを飲む」「豆腐の原料は何?と質問する」など、非常に多くの止める方法が試されてきた。解決方法は様々伝えられているが、今ひとつ決め手にかける。もし、しゃっくりを完全に止める簡単な方法を見つけることができれば、世界中の人々から称えられるに違いない。
 たかがしゃっくり、と侮ることなかれ。多くのしゃっくりが、原因不明の横隔膜の痙攣によるものだが、中枢神経疾患アルコール中毒や脳腫瘍といった中枢神経系の刺激や、肺炎、気管支喘息などの疾患でも起こる場合があるという。あまりに長く、しゃっくりの症状が出ているようであれば、これらの原因を疑って、医療機関にかかった方が賢明というもの。どうあれ、人類は当面しゃっくりとの戦いを続けなければならないようだ。
(2007年3月16日掲載)