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>>>ディスコミュージックが命を救う<<<
 1978年に世に出たビー・ジーズのStayin' Alive。ディスコミュージックであるこの曲が、心臓マッサージ(胸骨圧迫)のリズムに最適という研究結果が発表された。アメリカ心臓協会のガイドラインによると胸骨圧迫の速さは1分間に約100回が適切といわれ、同曲は1分間に103拍で理想的らしい。また、全米で1位を獲得した同曲は、米国での認知度が90%を越えるという。
 イリノイ州立大学の医学部出身チームが、実際に同曲を聴きながら胸骨圧迫した時の圧迫回数は1分間に平均109回で、これを聞いて5週間練習した後、そのリズムを思い出しながら実行すると平均113回。胸骨圧迫は1分間に100回を下回るよりも、回数が多いほうが効果的なため、なかなかの数字といえるだろう。また、胸骨圧迫のリズムに最適な曲として同曲のほかに108拍/分のクイーンのAnother ONE bites the Dustも候補に上がったが、「地獄へ道連れ」との意味を持つため却下された。なお、Stayin' Aliveは「生き延びる」との意味を持つ。
 傷病者が心肺停止により倒れるなどの現場に居合わせた人は、焦ってしまうため心臓マッサージに最適なリズムを取ることは難しい。また、リズムが乱れるとすぐに疲れてしまい、継続して心肺蘇生を行うことが困難となる。もし、救命の現場に居合わせたら、このディスコミュージックを思い出してみよう。
(2009年1月23日掲載)