薬事ニュース社
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>>>門前薬局「コンビニ化」時代到来か?<<<
 14年度診療報酬・調剤報酬改定が答申された。今回の改定では、調剤薬局、とりわけ風当たりの強い大型調剤薬局チェーンに対するペナルティ的な施策が目を引いた。
 なかでも注目されたのが、妥結状況の悪い薬局や医療機関の基本料を減算する、「未妥結減算ルール」の導入。具体的には、200床以上の病院と薬局を対象とし、毎年4月1日から9月末日までに妥結率が50%以上に達していない場合、初再診料や基本料を引き下げるとういもの。該当した薬局や病院には相当な痛手となるはずだが、医療機関側が総じて「止むを得ず」という反応を示したのに対し、薬局側、特に中医協に代表者を送り込むことのできない、すなわち議論に参画することの叶わない調剤薬局チェーンは腹の虫が収まらないらしく、日薬を強く批判、会員活動の見直しまでちらつかせている。
 また、門前薬局対策として設定されている調剤基本料の「特例ルール」も、より適用対象を拡大する方向で見直された。現行の「1か月の処方せん枚数が4000枚超で、特定の医療機関からの処方せん集中率が70%超」という算定要件に加えて、新たに「1か月2500枚超・集中率90%超」という区分が設けられた。さらに「特例ルール」に該当する薬局は、24時間体制で開局している場合を除いて「基準調剤加算」も算定できない。保険局医療課によると、「2500枚超・90%超」に該当する薬局は全体の約3%に過ぎないという(ちなみに従来の「4000枚超・70%超」に該当するのは1%)。
 というわけで、要するに全体の数%の大型調剤薬局チェーンを狙い撃ちにしたのが14年度改定の特徴といえよう。点数が下がれば、自己負担も減るので、それはそれで患者のメリットにはなる。ただ、病院前の門前薬局が「24時間開局」していることで、患者にどのようなメリットがあるのかはよく分からない(電力会社は儲かるかもしれない)。患者のため、というよりは、単なる嫌がらせにしか見えない。しかしひょっとするとこれは、門前薬局をコンビニ化させようという非常に手の込んだ誘導点数なのかもしれない。そうだとすれば、かなりディープである。
(2014年3月7日掲載)