薬事ニュース社
オピニオン

>>>薬局覚書<<<
 1度受診した風邪が治らず、2箇所目で受診し、それでも治らず、薬剤師を頼ったことがある。1箇所目で抗生物質を処方され、2箇所目でもまた処方された。すると、風邪が治らない一方で、今度は副作用が出た。抗生物質が重複したようで、2箇所目の受診後には、風邪に加えて異常な腸発酵に悩まされるようになった。
 ここまで来たら、医師の処方薬には懲り、風邪は市販の漢方薬で完治させた。しかし、腸発酵は依然そのまま。これは風邪ではなく副作用だと断言できた。それだけに、大事に至ってはまずいと思い、自己処置は断念。そこで、医師ではなく薬剤師に助けを求めた。
 そうして訪れた薬局だったが、とにかく、ある大容量整腸剤を推しまくられた。生憎、広告も評判も知らない。なぜこれなのかという躊躇はあったが、そこは専門家の推薦だ。ならば、と購入した。
 3箇所目を薬局にした結果は正解で、お陰で快復に向かった。が、医薬品の用が済み、患者ではなくなると、次第に、何もこんなに大容量でなくとも良かったのにという、消費者としての不満感が表れた。すると、なぜ他のメーカーには触れもしなかったのだろうかという疑問までもが湧いてきた。
 現在、世間では、安全性と利便性を焦点にインターネットによる一般用医薬品の販売に関する議論が盛り上っている。しかし、どこで商おうとも、モノは薬だ。売る側には、否応なく信頼が寄せられる。売る人はそのことを、忘れずにいてほしい。
(2009年1月30日掲載)