薬事ニュース社
オピニオン

>>>WBCを観て、采配のあり様に思いをめぐらす<<<
 野球の世界一決定戦、WBCで3連覇を狙った侍ジャパンは残念ながら準決勝で敗退した。個人的見解だが敗因はへぼ采配につきる。だってこれだけ大きな国際大会の、しかもあれだけ重要な局面で「走れたら走っていい」なんて曖昧で無責任な指示を出してもうまくいくわけないでしょ。失敗の責任を選手が問われかねない指示を出すなんてへぼ采配もいいところ(実際、失敗した選手は責任を感じてるみたいだし)、指示を出すなら「走れ。失敗しても責任は監督が取る」でしょ、どう考えても。
 それはともかく、今回目を引いたのはオランダ、イタリア、ブラジルなどいわゆる野球新興国の躍進ぶり。元々、これらの地域の人々が、身体能力に優っていることはサッカーなど他の多くの競技で実証済み。10年もすれば日本と立場が逆転しているのではないかと本気で思わせるくらいの充実ぶりだった。現に柔道という格好の例もあるわけだし。それに新興勢力がどんどん力をつけて旧勢力を脅かすことは、競技の活性化に繋がるばかりでなく、単純に見ていても面白い。
 さて、こちらの新興勢力対旧勢力のせめぎ合いは、面白いといって済ませられるものではなさそう。最高裁判決を受けてスタートした「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」のことである。
 大まかな構図としてはネット販売積極派と慎重派に色分けできるわけだが、同じ慎重派でも、「薬は対面販売が基本」というゴリゴリの原理原則主義から、「2類薬までは認めてもいいのでは」という柔軟派までいて、なかなかに複雑だ。エパデールのスイッチOTC化でひと悶着起こした日医まで加わったことが事をさらにややこしくしている。こういう場合、事務局の手綱さばきがより大事になるのだが、どうやら医薬食品局もいまだどうしていいのやら暗中模索といったところらしい。侍ジャパンみたいに「敗因は采配」なんてことにならないといいのですが。
(2013年3月29日掲載)