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>>>「薬学管理料」のあり方を巡る議論<<<
 厚生労働省は10月22日の中央社会保険医療協議会・総会で、次期調剤報酬改定に向けて「薬学管理料」のあり方を議題に載せた。調剤報酬を巡っては、調剤技術料全体の約50%を占める「調剤料」を引き下げ、約30%の「調剤基本料」について経営規模に応じたメリハリ付けを行い、約20%の「薬学管理料」を引き上げるという流れで進んできた。次期改定でも同様の方向で進むとみられる。
 22日の中医協で厚労省は、「薬学管理料」のなかでも特に財政影響の大きい「薬剤服用歴管理指導料」について、薬剤種類数に応じて新たな評価を検討してはどうかと提案。日本薬剤師会の委員も「検討すべき」と支持した。支払側委員からは反対意見が続出したため、実現の可能性は見通せないものの、「調剤料」を引き下げる流れが大筋で固まっている以上、財源の振り替え先として「薬歴指導料」に何らかの手当てが必要になる。
 注目される「調剤料」や「調剤基本料」の議論は11月にも行われる方針だ。これらは例年、財務省から強い切り込みが迫られてきたが、次期改定でも同様の傾向が予想される。20年度改定で厚労省と日本薬剤師会は薬剤師の「対人業務」を評価する位置付けである「薬学管理料」で、「薬歴指導料」の増点や、上乗せできる加算の新設で対応してきた。次期改定に向けても、他の中医協委員や財務省を説得できる様々な施策の打ち出しが求められてくる。
(2021年10月29日掲載)