薬事ニュース社
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>>>血圧管理は測定法も大切<<<
 5年ぶりに改定された高血圧治療ガイドラインには、血圧診断分類である正常血圧と高血圧に加え、仮面高血圧および白衣高血圧(または診察室血圧)が加わり、4つに分類されるようになった。仮面高血圧は医療機関で測定した血圧は正常であるものの、家庭や職場において自身で測定すると高い血圧を示すもので、白衣高血圧は逆に医師または看護師を前にすると緊張により血圧が上昇するもの。また、健康日本21では、収縮期血圧を2mmHg低下させると高血圧患者約4000万人のうち、脳卒中による死亡者約1万人、循環器疾患全体での死亡者は約2万人減ると予想している。
 高血圧患者の治療継続率を改善するとともに降圧薬治療による過剰な降圧、逆に不十分な降圧を評価するのに役立つという観点から、家庭における血圧測定の重要性が新ガイドラインに記載された。家庭用血圧計も最近では家電量販店などで比較的安価に入手でき、カフを医療機関と同様に上腕部に巻いて測定するものや手首または指で測定するものなど様々だ。しかし、手首や指による測定は目安程度でしかなく、やはり正確に血圧を測るには心臓に近い上腕部がよいといわれる。また、上腕部でも毎日同じ位置で測ると誤差が少なくなるとともに、継続して測定すると自身の血圧についてある程度の傾向値が把握できる。これらのことからも、血圧管理の一助として一家に一台血圧計を用意し、起床時および就寝時に血圧を測定することに加え、正しい計測法を周知することも必要だろう。
(2009年3月13日掲載)