薬事ニュース社
オピニオン

>>>ついにきた「虫歯ポイント」<<<
 年明け早々、我が家の電器製品が相次いで叛乱を起こした。パソコンは電源を入れても暗転したままうんでもなければすんでもなし、脱水機能が弱まったらしい洗濯機は、洗濯物が手で絞れるくらいぐしょぐしょ状態のまま平然と仕事を終え、かと思うと掃除機はちょくちょくごみの吸い込みを拒否したりする。パソコンだけは修理に出した結果、液晶画面の不具合が原因と判明し、何とか一件落着となったが、残るふたつの家電に関してはどうも具合がよろしくない。とくに洗濯機のほうは購入からかれこれ15年ちかくが経ち、洗濯槽がガタゴトと不穏な音をたてるなど、だいぶ前から兆候はあった。そろそろ買い替えの潮時のようだ。
 さて、大型家電の買い替えとなると、ほとんどの人が最寄りの家電量販店に足を運ぶことと思う。そしてめでたく購入と相成ると、十中八九、レジで次のような遣り取りが交わされる。
「当店のポイントカードはお持ちですか」ない、と答えると、間髪いれずに「無料ですぐにおつくりできますが」と水を向けられる。たたみかけるように「次回から、5000円分のお買い物にご利用いただけます」などと甘言を弄され、早くも次の(大して必要でもない)買い物の算段を頭のなかでめぐらせたりする。まんまと相手の術中にはまったわけで、げにポイント恐るべし、である。
 医療界でも数年来、調剤薬局でのポイント付与をめぐり、「禁止だ」「それなら訴訟だ」などと賛成派と反対派が対立、いまも明確な判断は示されていない。要するに宙ぶらりん状態が続いているのだが、そうこうするうちにとうとう、というか、やっぱり、というべきか、朝日新聞が「歯科医院でもポイント還元」と報じた。調剤薬局以上に激しい競争に晒される歯科医が、ポイント制に目をつけるのはむしろ必然の流れ、厚労省は調査に乗り出す姿勢を示しているが、いったんできた流れを押し戻すのが容易でないことは、OTCネット販売議論を見ても明らか。なし崩し的容認も秒読みか。
(2014年1月24日掲載)