薬事ニュース社
オピニオン

>>>仮説:薬ネット販売解禁後の近未来図<<<
 いやぁ、危なかった。消費者・薬害被害者団体があれほど騒ぐとは。施行期日延長なんて話もささやかれたし。でも最後は、我らがネット通販の大旦那や、規制改革会議の主張に厚労省が折れ、ネット業者側に軍配。もめた「対面販売」の定義も、ネットを通じたパソコンディスプレイ上のものが、薬局薬剤師らによる直接の情報提供に替わる、との“お墨付き”を得た。IT、万歳ってもんだ。甘利規制改革担当相の押しと、舛添厚労相の大英断に感謝。これで高リスクの第一類を含め、全大衆薬(OTC)が、ネットで大手を振って売れる。後ろめたさなんか感じなくていい。なんたって合法なんだから。
 そんなことより、うれしいのは「非処方せん薬」の販売。今までは罰則規定がないとはいえ、局長通知で「対面販売」などが求められていた。それが今回の改正薬事法では、ちょっと厳しい省令で情報提供を直接「対面」で行うよう求められたとはいえ、第一類医薬品の省令と全く同じであり、それは厚労省が「ネットでOK」と認めている。受診勧奨の注意とかはネット上に載せとけば問題ない。皆、非処方せん薬のことにまで気が回ってなくてよかったよ。ほんと。
 医師会がクレイムをつけないかって? だって法治国家で法を守って営業するんですよ。とやかく言われる筋合いはないでしょ? オンラインドラッグ団体の自主基準? 「ク○喰らえ」って感じですね。ただ、よく読んでご覧なさい。彼らだって、非処方せん薬を売らないなんて書いてないですよ。でも、仮に売らない、と宣言しても、うちは彼らの団体に入る気は毛頭ない。合法なんだから、自由に売りますよ。生活者から、必要上やむを得ないって、求められればね。
(※09年6月掲載、あるアウトローネット事業者へのインタビュー)
(2008年12月12日掲載)