薬事ニュース社
ケアマネ日記



>>>「日常生活用具給付等事業」として、蓄便袋の補給等も仕事<<<

開局薬剤師ケアマネジャー 山鳥さとよ

(・・・前回からのつづき)

 M薬大からの薬局実務実習生Kさんには、昼までにこれまで通りのルーチン業務の清掃、初めて処方せんを持参された方の薬歴簿作成、オンラインでの欠品発注などをしてもらい、その間に私は、Kさんが本日提出した昨日についての実習レポートに目を通し、コメントを書き入れ印を押した。併行して、来店客の合間に本日午後薬を持参して訪問する予定のSさん、Aさん、Nさんの薬剤の1包化作業を行った。

 Sさんは、骨粗鬆症治療剤、抗癌剤、ステロイド剤、向精神剤など、起床時1剤、朝食後7剤、昼食後4剤、夕食後5剤、就寝前2剤を1包化し、酸化マグネシウム2gを分3、別包とした。

 Aさんは、経口血糖降下剤、降圧剤、利尿剤など、朝食前1剤、朝食後5剤、夕食前1剤、夕食後4剤、就寝前2剤を1包化した。

 Nさんは、抗パーキンソン剤、降圧剤、抗潰瘍剤など、朝食後4剤、昼食後2剤、夕食後5剤を1包化した。

 作業中、来店客など他の仕事が挟まると、どこまで作業が進んでいたのか分からなくなるので、とても困った。

 この方々の1包化や「薬剤師居宅療養管理指導」の必要性は、ケアマネとしての訪問時、服薬についての危険性を強く感じたため、主治医に報告書を送り、以後の処方せんに「薬剤師居宅療養管理指導」の指示を記述していただくようにしたものだ。3名の方はいずれも独居で中度から軽度の認知症があり、服薬にノンコンプライアンスが起きるとまずい薬剤が多いので、居宅訪問時、残薬や食物との食べ合わせその他、気になる点を主治医に報告しなければならない。

 本日は、この3軒の訪問にM薬大のKさんを同行し実務実習してもよいか、3名の方々には昨日電話でお願いし承諾を得ておいたのだ。3名とも実に理解のある方ばかりだ。

 自転車で先ずSさん宅へ伺った。早速、箱型の服薬カレンダー内の残薬を確認して、持参薬を補給し、さらに薬学的管理も行った。Sさんは直腸癌による人工肛門造設をしており、ストーマ用具の蓄便袋の補給もしなければならない。私がSさんを担当する業者として自治体へ届けてあるからだ。この秋からは「障害者自立支援法」が改正され、「ストーマ装具給付事業」は「日常生活用具給付等事業」に移行するため、「給付申請書兼課税状況確認同意書」を役所に提出しなければならず、必要事項を記入した書類と次回の補装具交付券とともに、このとき預かった。前回の交付券分の残品を補給しながら、正しく装着されているか、衛生状態はどうか、取替え回数はどうかなど、実際に装着状態を見せていただきながら確認した。実習生のKさんは「薬剤師がこんなこともするのか」と驚いていた。数日前、Sさんを担当している訪問看護ステーションから「看護師が訪問したら室内がガス臭いので調べると仏壇横のガス栓が開いていてガス漏れを起こしていた。換気をし、とりあえずガムテープで固定しておいた。ケアマネさん、危険のないよう後をよろしく」といわれていたので、ガス栓の安全確認を行った。またアパートの管理人がいたので、ガス栓を安全なものに取り替えてほしいと頼んできた。ともかく世間では高齢者の家庭のことは、何でもケアマネ頼みなのだ。 

 次いで、Aさん宅へ伺った。

(この項、つづく・・・)
(2006年11月3日掲載)

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