薬事ニュース社
ケアマネ日記



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 今国会での成立を目指す医療制度改革関連法案では、医療の必要性に応じた療養病床の再編成も柱に掲げている。2012年度からは、医療の必要性の低い患者について、病院ではなく在宅等で受け止めることで対応するといった大方針も打ち出されている。

 また、2006年4月からは新たな介護保険制度もスタートする。2000年4月にスタートした同制度で、「5年後の見直し」が規定されていたことを受けてのもの。こちらは今回の見直しで、「新予防給付の創設」や「地域支援事業の創設」など予防重視型システムへの転換、「地域密着型サービスの創設」「地域包括支援センターの創設」「居住系サービスの充実」といった新たなサービス体系の確立のほか、被保険者・受給者の範囲の見直し――などが盛り込まれている。また3年ごとの見直しが行われる介護報酬改定は今年4月、初の診療報酬・調剤報酬との同時改定となる。改定率はマイナス0.4%(05年10月改定と合わせるとマイナス2.4%)。薬剤師関連では、「薬剤師による居宅療養管理指導」について医療保険との整合性を図る観点からがん末期患者の算定限度を月8回にするなどの見直しが行われた。

 さて、介護保険制度では、居宅介護支援事業所等において介護サービス計画(ケアプラン)を作成する専門職としてケアマネジャー(介護支援専門員)が存在する。制度の要でもあるそのケアマネジャーは、保健・医療・福祉といった各専門職において5年以上の実務経験を有す者等を資格要件とするが、試験はすでに8回開催され、現在までに合計37万8439人が合格している。うち薬剤師ケアマネジャーは、医師(1万4596人)よりも多い1万7636人で、看護師・准看護師(13万5006人)、介護福祉士(9万1932人)、相談援助業務従事者・介護等業務従事者(3万9948人)、保健師(2万2135人)に次ぐ5番目に多い職種となっている。しかし、実際に薬剤師ケアマネジャーの活躍はさほど知られているわけではない。そこでここでは、前線で活躍する薬剤師ケアマネジャーの日々の活動を示すとともに、そうした目を通じて、薬局・薬剤師の日々の業務への取組などを紹介していく。


(2006年4月28日掲載)

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