薬事ニュース社
ケアマネ日記



>>>早期体験薬学実習生が来局、薬剤師ケアマネ"魂"の一端を伝授<<<

開局薬剤師ケアマネジャー 山鳥さとよ

某月某日

 今日は、M薬大より委嘱された4年生1名・Kさんの2週間薬局実習の4日目だった。同大学からは、1カ月ほど前、学長名で非常勤講師の委嘱状が届いていた。毎年のことだが責任重大で身の引き締まる想いだ。またK薬大からはKさんの実習の前に、本日朝一番で早期体験実習生2名が見学に来る予定もあった。忙しいことだ。だが、ひとときでも薬局のスタッフの平均年齢が下がるのはうれしいことだ。こちらまで心が若返る気がする。

 学生さん達の指導の準備として私も研修を受け、日本薬剤師会から「薬学生実務実習受入施設証」、都道府県薬剤師会から「実習生指導薬剤師認定証」をもらい、受け入れ体制を少しは整えたつもりではいるが、毎回ハプニングが起き冷や汗を掻いてしまう。

 さて店のシャッターを開けるや否や、男女2名のにきび華やかな1年生がやってきた。親が無理して買い与えたか真新しい社会人スーツ姿だ。学校で散々いわれてきたと見え、やけに礼儀正しい。こちらまで妙に畏まってしまった。ウチへ来る前は病院見学と一般薬局で自家製剤やネットで情報を取り入れる作業を見学したといい、ウチのあとは門前薬局の予定という。

 病院薬剤師は最近、癌治療やら感染防御やらの専門薬剤師が活躍をし始めているが、開局でも学薬や薬局の実務経験が5年以上あれば、その先のキャリアであるビル管(建築物環境衛生管理技術者)国家試験、ケアマネ(介護支援専門員)地方試験が受けられる。これらの資格を用いた業務はいずれも、それまでの薬局業務と異なり、仕入れ支払いがないので助かるのだ。

 折角ウチを見学先として選んで下さったのだから、ウチの特色として、ビル管とケアマネを取り上げ、その実際を垣間見ていただこうと種々の資料を取り出した。

 ビル管では、私が管理している、不特定多数の人が出入りする1万平米以上の大規模建築物について、必要帳票、報告書、出入り業者の作業前後の現場写真、構内外の環境衛生維持記録、内蔵している50米温水プールの排水口の清掃状況と安全柵の取り付け状況などを説明した。

 次いでケアマネの話に移した。薬剤師出身の特色として、薬の副作用が原因で介護度が上がっているのでは、と考えたくなる人に訪問現場でしばしば出くわす。 それに、大病院から直接、あるいは門前薬局から長期投与されている人は、居宅での服薬管理がいい加減になりやすい。独居で認知症となればコンプライアンス(編注:規則正しい医薬品の服用遵守)は無茶苦茶だ。私はこのようなときは、親類縁者を探し出し重要事項を説明の上、薬剤師居宅療養管理指導契約を結び、往診医や訪問看護師その他の必要スタッフを紹介し、担当者会議を主宰し、在宅療養を支えていると最近の事例を基に説明した。

 話が終わり、2名が帰ると入れ違いに2週間の薬局実務実習4日目になるM薬大のKさんがやってきた。

(この項、つづく・・・)
(2006年9月29日掲載)

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