薬事ニュース社
ケアマネ日記
>>>「非ステロイド系消炎鎮痛剤」と「紅麹(べにこうじ)」で
副作用!?<<<
開局薬剤師ケアマネジャー 山鳥さとよ

某月某日
今日は、介護支援専門員現任研修(専門課程3日間)の中日だ。遅刻・早退は欠席とみなされる上、会場まで小1時間はかかるから眠い目をこすりつつ早めに家を出た。
宿題として配布されていた演習事例に基づき、会場で各自がケアプランを作り、5~6名ずつの班に分かれ、グループ討議を経てひとつにまとめ、代表を1人決め発表するというのが、今日の主な演習スケジュールだ。
さて、事例の利用者K子は71歳、身長142cm、体重68kg、高血圧、高脂血症、変形性膝関節症で、資料中の第6表(居宅介護支援経過)には『担当ケアマネが訪問するといつも「だるい」といって横になっている』とある。主治医意見書には「服薬にて持続的疼痛軽減している。降圧剤服用中」とあり、高脂血症については、総コレステロール250mg/dlあるのに「食生活と運動療法が望まれる」とあなた任せである。体重kg÷身長㎡を計算すればBMI値33.7で超肥満体だ。これでは膝が持たない。医師が半分見放したとなれば、患者は仕方ないから減量に役立つといわれるものを色いろ試すのが常だ。紅麹エキスなども必ず加えているだろう。医師には当然、告げないから、意見書には出てこない。
意見書中の「投薬内容を含む治療内容」に投薬中の薬剤が省略されているから想像するしかないが、察するに湿布薬や内服消炎鎮痛薬の両薬の主成分はNsaidsに違いない。Nsaidsには、共通して眠気や倦怠感を現しやすい。2剤併用により副作用は強くなる。早朝高血圧の人が、遅い朝食の後降圧剤を服用すれば、昼過ぎごろから低血圧気味になり、めまいや不快感が起きるので横になりたくなる。さらには紅麹の成分モナコリンKなど、HMG-CoA還元酵素阻害作用を持つものは、健食とはいえ横紋筋融解作用を現すかも知れず、そうなれば筋痛や虚脱感は一入(ひとしお)だ。もし居宅療養管理指導や訪問薬剤管理指導で薬剤師が関与していれば、居宅訪問時ピピーンときて先ずはチェックを入れる事柄だ。
(2006年4月28日掲載)
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