各社の主要製品紹介
各社、情報提供活動を強化
 景気の影響を受けやすい胃腸薬市場。製薬企業各社は、市場縮小傾向に歯止めをかけるため、なぜ漢方が良いか、胃酸を出す胃腸薬と胃酸を抑えるH2ブロッカーの使い分けなど、製品の情報提供活動を強化しているようだ。主要メーカー各社の注力製品および販促戦略を紹介する。

セルベール整胃錠  加齢に伴い減少する胃粘液の分泌を活発にして胃粘膜を守るエーザイの「セルベール整胃錠」は、胃の粘液量を増大させて胃粘膜を守るテプレノン、胃の働きを高めて胃もたれなどの自覚症状を緩和するソウジュツ乾燥エキスおよびコウボク乾燥エキスを配合。胃の粘液の分泌を活発にして胃粘膜を守り、さらに胃の運動機能を高めることで胃もたれ、胸やけなどの症状を改善する。
セルベール整胃錠  消費者への訴求活動としては、TVCM「夫婦の休日篇」を放映中で、胃もたれが気になりだした世代の夫婦が共感できるCMになっており、「セルベールは胃粘液を増やして胃を元気する」と有効性を訴える。また、減少した胃粘液を改善できるなど、セルベールの特徴を訴求するため、薬剤師向けの勉強会や店頭でのパンフレット配布などを行っている。このほか、「年とともに、くり返す胃もたれに。胃粘液で胃にベール」と訴求する雑誌広告も展開している。
 希望小売価格は、12包=998円、27包=2079円。
新キャベジンコーワS  7月22日に新発売した興和新薬の胃腸薬「新キャベジンコーワS」は、新たに配合した胃の運動を促進する健胃生薬のソウジュツが、荒れて傷んだ胃の粘膜を修復して正常な状態に整えるメチルメチオニンスルホニウムクロライドの働きをサポートし、弱った胃を元気にする。また、従来のアルミニウム系制酸剤を水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウムに処方改良したことにより、脂肪の分解を早めるリパーゼAP12の働きも効率的になり、もたれやむかつき、胃重などの不快な症状を抑制する。なお、この処方変更により、透析療法を受けている人の服用および長期の連用も可能となった。
新キャベジンコーワS  訴求のポイントとしては、「最近胃が重いなと感じてきたらキャベジン。荒れた胃の粘膜を丹念に修復し、胃を軽くする」と製品特徴を訴えるTVCMや新聞・雑誌広告、交通広告などを展開している。また、薬局・薬店では、目立つ場所への棚割やポスター・ポップなどを活用した売場作りを行っている。
 希望小売価格は、100錠=1208円、210錠=1995円、320錠=2730円。
イノセアシリーズ、ハイウルソシリーズ  佐藤製薬のイノセアシリーズは、「胃のバンソウコウ」といわれる胃粘膜保護剤スクラルファートを配合した胃の痛みに効く胃腸薬。スクラルファートは、胃粘膜障害部に選択的に結合して荒れた胃の粘膜を保護する働きに加え、抗ペプシン作用で、胃を攻撃するペプシンの作用を抑える。また、胃液分泌抑制作用を有するソウジュツやコウボクなどの生薬を配合することで効果を高めている。剤型は、錠剤・顆粒・チュアブル・内服液の4つを用意。剤型により処方と用法が異なるため、症状に応じた使い分けが出来る。
イノセアワンブロック  ハイウルソシリーズは胃腸の働きを活発にして胃や肝臓の症状を改善するウルソデオキシコール酸を配合した胃腸薬シリーズ。制酸剤を配合していないため、胃酸の分泌が衰え、胃がもたれやすくなる中高年や高齢者の常備薬にもおすすめ。
 訴求ポイントとしては、胃痛・胸焼け・膨満感などストレスや胃酸過多、刺激物などで荒れた胃にはイノセアシリーズ、胃もたれ、食欲不振、消化不良、はきけなど食べ過ぎ、飲みすぎ、加齢による胃腸機能低下などで胃がもたれた人にはハイウルソシリーズをすすめる。
アシノンZ  アシノンZは、医療用の胃・十二指腸潰瘍、胃炎治療薬「アシノンカプセル75/150」の成分「ニザチジン」を、一般用医薬品にスイッチしたH2受容体拮抗剤(H2ブロッカー)。胃粘膜壁細胞のH2受容体を遮断して胃酸の分泌を抑える胃酸分泌抑制作用に加え、弱った胃の運動を刺激する消化管運動促進作用により、胸やけ、むかつき、胃痛、もたれの症状を改善する。また、アルコールの飲み過ぎで胸がやけて胃の中がむかむかする症状やストレスや過労からくる胃の痛みや重だるい不快感を取り除くのにも効果を発揮する。
アシノンZ  訴求活動としては、薬剤師への情報提供として製品の特徴を記載したパンフレットの配布や研修会を展開するほか、レジカウンターに什器を設置し注目を集める。また、ディスプレイの掲示やスイングポップ、ポスターなども活用する。
 希望小売価格は、6カプセル=924円、12カプセル=1449円。
新三共胃腸薬プラス、ガスター10 新三共胃腸薬プラス  第一三共ヘルスケアの主力製品である「新三共胃腸薬プラス」は、脂肪を分解するリパーゼAP12と糖質・タンパク質を分解するタカヂアスターゼN1を配合したことに加え、6種の健胃生薬が弱った胃の働きを高め、植物性乳酸菌のラクボンが腸内バランスを整える。07年度の売上高は前年比17・5%増の35億円、08年度の売上目標は35億円。希望小売価格は、12包=945円、30包=1890円、52包=2835円。
ガスター10  また、H2ブロッカー「ガスター10」は、過剰に分泌した胃酸をコントロールして胃痛、胸やけ、もたれ、むかつきに効果を発揮する直径7ミリの小粒で飲みやすい糖衣錠。07年度の売上高は前年比3・0%減の35億円で、08年度売上は38億円を目指す。希望小売価格は、6錠=1029円、12錠=1659円。
 店頭での訴求ポイントとしては、胃酸を出す新三共胃腸薬と胃酸を抑えるガスター10の違いが一目でわかるポップや什器などのツールを活用する方針。
正露丸、セイロガン糖衣A  「ラッパのマーク」でおなじみの大幸薬品の「正露丸」および「セイロガン糖衣A」は、日常起こりがちな軟便、下痢や食あたり、水あたりなどを改善する胃腸薬。主成分の日局木(もく)クレオソートが腸の水分分泌と過剰なぜん動運動を抑えて腸を正常な状態に戻す。また、アセンヤク末やオウバク末、カンゾウ末、陳皮末などの生薬が木クレオソートの働きをサポートする。
正露丸  今夏の販促活動として同社は、TVCMの露出を増やして認知度向上を狙う方針。正露丸のTVCMでは、自然のイメージと主成分である木クレオソートの作用をテーマとして、「100年愛されてきた理由」篇を放映している。また、セイロガン糖衣AのTVCMでは、においが少なくて飲みやすいことに加え、白い錠剤をPTP包装にした商品もあるため、持ち運びや常備に便利な点を訴求する。
 店頭では、製品特性を記載したPOPなどを活用し、「どんな下痢でもまずは正露丸」とファーストエイドとしての使用を促すほか、学術面から製品に関する情報提供も行っている。
 希望小売価格は、正露丸100粒入り=1050円。セイロガン糖衣A84錠入り=1890円、36錠入り=945円。
大正漢方胃腸薬  発売30周年を迎えた大正製薬の「大正漢方胃腸薬」は、食べるともたれる、ふだんから胃腸が弱い、ストレスや仕事で胃がシクシク痛むといった現代人の胃腸症状を改善する微粒タイプの胃腸薬。衰えた胃腸機能を改善・活発にする安中散と胃腸の筋肉の異常な緊張を和らげる芍薬甘草湯を配合しており、治療効果が高く、胃に爽快な服用感を実現した。また、風味が良くて飲みやすいことに加え、5歳から服用できる。メインターゲットは40~50代の男女。
 俳優の長塚京三氏を引き続き採用したTVCM「得意先まわり」篇を放映しており、冷たいものの取りすぎで弱った胃や食欲不振になりがちな胃の症状を改善すると訴える。
大正漢方胃腸薬  薬局薬店向けの販促活動としては、得意先に対する情報提供を強化。また、売場の演出ツールとして、ジャンボディスプレイやカウンターディスプレイ、「30周年」や「食べる前に飲む」などと記載した透明ステッカーなどを活用する。このほか、雑誌広告やJR・私鉄などに交通ステッカーなどを展開する。
 希望小売価格は、12包=1018円、20包=1522円、32包=2079円、48包=2730円。
新ビオフェルミンS錠  「新ビオフェルミンS錠」は、数多くのプロバイオティクスの中からくすりに適したビフィズス菌(G9-1)、フェーカリス菌(129 BIO 3B)、アシドフィルス菌(KS-13)の3種の乳酸菌を配合。これら3つの乳酸菌が生きたまま腸に届いて増え、すぐれた成長効果を発揮する。
新ビオフェルミンS錠  もともと健康なヒトの腸内に住む有益菌を製剤化したものであるため、妊婦などでも安心して服用できる。また、高齢者で気になる便臭も改善するなどの特徴を持つ。
 これらのことから同社では、「一家三世代で服用できる」と、家族の健康管理のための常備薬としての役割を強調する。乳酸菌の機能訴訟やブランドイメージの浸透を図る。
パンシロン  ロート製薬の胃腸薬「パンシロン」ブランドは、1962年に「パンシロン」を発売して以来、胃腸をトータルでケアするブランドで、消費者から支持され続けている。08年度はブランド全体を活性化しようと注力しており、胃腸薬の売上高約25億円を目指す。
パンシロン  主力の「パンシロン01」は、不快な胃をスッキリさせる即効性制酸剤と持続性制酸剤、荒れた胃粘膜を整える粘膜修復剤と健胃剤、消化を促進する消化酵素などをバランスよく配合した胃腸薬。このほか、胃痛・胸やけの「パンシロンG」、胃もたれの「パンシロントリム」、外出時にも服用できる「パンシロンクールNOW」、胃粘膜に効く「ロートAZ胃腸薬U」などがあり、症状別にラインアップしている。06年にはパッケージをリニューアルし、統一感を持たせるとともに何に効果を発揮するかをより明確にしたことに加え、店頭に並べたときに消費者が選びやすくした。
(薬事ニュース 2008年8月29日号掲載)
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