水虫薬市場 08年は市場拡大に期待
第3世代にかゆみ止め成分配合の新製品が登場
女性、ジュクジュク水虫などセグメント化も進展
新製品の登場で市場が活性化
 2007年4月から08年3月までの水虫薬市場は、前年比5%減の約230億円。抗真菌剤「テルビナフィン塩酸塩」、「ブテナフィン塩酸塩」、「アモロルフィン塩酸塩」を有効成分に配合した一般用水虫治療薬が発売となった03年をピークに縮小傾向にあるようだ。第3世代と呼ばれるこれらの有効成分を含んだ製品により効き目感が実感でき、もう治ったと思い使用回数が減ったことや高価格帯となる新製品に比べ、既存の水虫治療薬の低価格化、個数ベースでの売り上げが落ちてきたことなども市場が縮小している一因と見られる。
 今年は、市販後調査が終了した第3世代の抗菌剤にかゆみ止め成分を配合した水虫薬の発売が相次いでいる。水虫罹患者は新しい治療薬を求める傾向もあることから、08年の市場は活性化、拡大すると予測できる。
 業界調査によるシェアトップ5(売上高増減)は、久光製薬シェア19%(前年比10%減)、第一三共ヘルスケア15%(41%減)、大正製薬14%(同15%減)、ノバルティス12%(横ばい)、小林製薬8%(38%増)。

意外と多い女性患者
 日本の水虫罹患者は、人口の15%から19%ともいわれており、男女比だとほぼ半々または若干男性が多いとされる。以前は中年男性の病気だと思われていた水虫だが、女性の社会進出がすすんだことやブーツをよく履くことなどから、女性の水虫罹患者は多いという。ただ、サンダルやミュールなど足を露出する機会の多い女性のほうが、男性に比べ医療機関を受診する人がやや多い傾向にあるようだ。スポーツクラブや温泉など素足になる施設では、バスマットから感染することもある。また、ハイヒールはつま先が靴の先端に押しつれられ指と指が密着し、汗をかきやすいため、水虫になりやすい。足のかさかさが実は水虫だったという女性は意外と多く、皮膚科を受診した女性の2~4割に達するともいわれる。
 これらのことから潜在的なニーズがあると考え、第一三共ヘルスケアやノバルティスファーマ、ロート製薬などは、女性にも手にとりやすいパッケージの発売や女性向けの啓蒙活動などを展開している。

水虫の治療
 水虫の治療は、足を乾燥させる・清潔にすることに加え、じゅくじゅくしている患部にはクリームタイプ、カサカサと乾燥している患部には液状タイプなど、症状に合った剤型を使用することが大切。製薬各社は、液剤、クリーム剤を中心に、スプレータイプやじゅくじゅくのひどい場合や亀裂が生じた状態に効果を発揮する軟膏、カサカサした患部に乾きの早いクールゲルタイプ、綿棒状のスティック内に充填させた薬液をピンポイントで患部に塗布できる製剤など、様々な製剤をラインアップして他社との差別化を図っている。また、女性やジュクジュク水虫に特化するなど、領域の絞込みを行うメーカーもある。

風呂上りの治療が効果的。
 薬剤は、足をキレイに洗い、角質層がやわらかく薬剤が浸透しやすくなった入浴後の使用が効果的で、白癬菌は症状が出ている範囲より広く寄生していることが多いため、薬剤は広めに塗る。角質層の奥に菌が潜伏していることもあるため、症状がなくなった後も決められた用法・用量で約1カ月間は根気よく治療を続けることが必要だ。
08年水虫薬特集・主要各社の主力製品
アトラントエースエスエス製薬
アトラントエース  エスエス製薬の「アトラントエースクリーム」および「アトラントエース液」は、同社が独自に研究開発した抗白癬菌剤の塩酸ネチコナゾールを配合した水虫・たむし治療薬。水虫菌の細胞膜合成を阻害して成長を抑制することに加え、細胞膜を直接破壊することに加え、優れた浸透性と持続効果を有するため、1日1回の使用で効果を発揮する。クリームタイプはベタつかずに伸びが良く、液剤タイプは乾きやすいサラッとした使用感を実現した。
 また、綿棒状のスティック内に充填した薬剤をピンポイントで直接患部に塗れる「ポキリスポイント水虫スティック」を2006年に発売。手を汚さずに使用できることに加え、使いきりタイプで衛生的。主成分は抗菌力に優れた抗真菌剤トルナフタートを配合した。
 販促活動として同社は、販売店向けにアトラントエースクリームおよびアトラントエース液をクリアケースに入れて展示販売を行うなど、アイキャッチを意識した販促活動を展開している。
 希望小売価格は、アトラントエースクリーム15g=2300円、アトラントエース液15ml=2300円、ポキリスポイント36本入り=2100円。
タムチンキパウダースプレーEX小林製薬
タムチンキパウダースプレーEX  1994年発売以来、ジュクジュクした症状の水虫を乾燥させて治すパウダースプレータイプの水虫・たむし用薬として、水虫市場の中で独自のポジションを確立してきた「タムチンキ パウダースプレー」ブランド。硝酸オキシコナゾールを有効成分として配合し、「1日1回で効く」よう処方改良した「タムチンキ パウダースプレー EX」が今シーズンの同社の主力商品だ。
 製品特徴は、①ジュクジュク水虫を、乾燥させて治すパウダースプレータイプの水虫薬②有効成分を硝酸オキシコナゾールに改め、1日1回で効く処方にした③かゆみ止め成分を2種類(リドカイン、クロタミトン)配合し、気になるかゆみをしっかり鎮める④サラサラ感がアップ―など。
 スプレータイプなので、使用する際も患部に手を触れることなく簡単で清潔に使用することが出来る。また、特殊ノズルにより、指の間の患部に的確に噴射でき、パウダーが患部に密着する。独自のパウダー処方を開発し、従来品と比較してサラサラ感も向上させた。パッケージデザインは、マットなシルバー色をベースとし、上質感を演出している。
 水虫市場の中でも、ジュクジュクした症状に特化し展開する同社は、販売店向けには“ジュクジュク水虫”の売り場展開を提案し、4~7月の需要期にTVCMを含めた広告展開を行う。
 希望小売価格は、レギュラー70gが2730円、大容量120gが3780円。
ラマストンMX2佐藤製薬
ラマストンMX2  2007年に販売を開始した佐藤製薬の「ラマストンMX2」シリーズは、水虫菌を死滅させ、高い貯留性により24時間効果が持続、1日1回の塗布で効果を発揮する医療用成分の塩酸ブテナフィンを配合した水虫治療薬。塩酸ブテナフィンに加え、鎮痒剤dl-カンフルと局所麻酔剤の塩酸リドカインも配合している。また、3種類の剤型を用意しており、広範囲の患部には液タイプ、じゅくじゅくした患部にはクリームタイプ、カサカサした患部にはゲルタイプと症状に応じて選択できる。
 販促活動として同社は、今年2月に大容量タイプを追加発売し、品揃えを強化。TVCMでは、4月よりチョイワルオヤジが登場する「チョイワルスタイル2篇」を放映しており、「かゆい水虫に悩まされていたら渋い表情や颯爽とした雰囲気を保てない、オシャレは足元から」と訴求する。また、販売店向けの販促活動では、TVCMと連動したポスターやPOPのほか、石鹸を入れるクリアケースをおまけに付けた製品の販売を行っている。
 希望小売価格は、液10ml=1554円、クリームおよびゲル10g=1554円。
バリアクトHiゼリア新薬
バリアクトHi  2008年1月に発売したゼリア新薬の「バリアクトHi液」および「バリアクトHiクリーム」は、水虫・たむしに効果を発揮するスイッチOTC成分で、殺真菌作用と角質浸透性にすぐれた塩酸テルビナフィンを配合した水虫治療剤。高い殺真菌作用と角質浸透性により、1日1回の塗布で白癬菌に対する殺菌作用を発揮する。
佐薬として、水虫・たむしなどによる不快なかゆみを抑えるジフェンヒドラミン塩酸塩や炎症を抑えるグリチルレチン酸、患部周辺の雑菌の発生を抑えるイソプロピルメチルフェノールも配合した。速乾性に優れ、さらっとした使用感の液剤およびべたつかずにさらっとした使用感のクリーム剤をラインアップした。
 清涼感をイメージさせる青をベースにしたパッケージには、「患部に浸透」「1日1回、殺真菌作用」「痒みをすみやかに鎮める」「患部の炎症を抑える」と、製品の特長を表記。消費者が分かりやすいよう工夫されている。
 販促活動としては、各小売店の現場に対応したインストアプロモーションを実施。それぞれの現場に合せた提案を行うことで、大きく取り扱う店舗も出てきているという。
 希望小売価格は液・クリームともに15g=2000円。
ウィンダム第一三共ヘルスケア
ウィンダム  2007年に登場した第一三共ヘルスケアの「ウィンダム」は、水虫の原因菌である白癬菌の発育および増殖を防ぐラノコナゾールを配合した水虫治療薬。患部に浸透し、角質が厚くなってしまった水虫にも効果を発揮する。また、クリーム剤・液剤に加え、べたつくというデメリットはあるものの、肌を保護する効果を有する軟膏剤もそろえており、それぞれの剤型の特徴を理解し、使い分けて欲しい考えだ。
 販促活動として同社はこのほど、既存のアルミモノコックデザインのパッケージに加え、女性も手に取りやすいピンクと白を基調としたパッケージを新発売した。店頭では、液剤はカサカサした患部、クリームは患部に広く塗布し、軟膏はじゅくじゅくおよび傷が入ってしまった患部への使用がおすすめなど、症状に合わせた剤型を選択してもらうため、使い分けを説明するボードを活用している。また、リーフレットの配布や交通広告、雑誌、インターネットなども展開している。
 TVCMは、俳優の北村一輝を採用し、医療用医薬品の成分が効くと訴える「スナイパー篇」と女性の足に焦点をあて、水虫だったら悩んでないで治療をしたほうがよいと呼びかける「サーチ篇」を放映している。
 希望小売価格は、液剤15ml、軟膏剤15g、クリーム剤15g、すべて2205円。
ダマリングランデ大正製薬
ダマリングランデ  今年2月に発売した大正製薬の「ダマリングランデ」シリーズは、4つの有効成分を配合した水虫治療薬。殺真菌効果を持つ塩酸テルビナフィンをはじめ、かゆみの伝達を抑えるリドカイン、皮膚の炎症を改善するグリチルリチン酸二カリウム、患部に清涼感を与えるl-メントールを配合した。
 販促活動として同社は、ダマリンシリーズでは初となるCGのキャラクター「モグランデ」を起用。モグラにドリルを持たせ、角質層の深くに浸透するイメージのTVCMを3月より放映している。また、雑誌や交通広告、モグランテの壁紙をダウンロードできるインターネットサイトでの広告も展開している。
 薬局・薬店での販促活動としては、ダマリングランデのボードに加え、水虫の養生法である、乾かす・きれいに・薬をぬる・(患部に広く塗るため)ケチらない・根気よく(治療する)を表したボード「水虫のかきくけこ」を掲示し注目を集める。このほか、ジャンボレプリカやPOP、スイングPOPなどを活用している。
 同社は、水虫治療薬として「ダマリングランデ」、「ダマリンエース」、「ダマリンL」を取り揃えており、ダマリングランデや他社製品を使っても治らなかった場合は、アモルロフェン配合のダマリンエースを使用して欲しい考え。また、継続的な治療にはダマリンLとしている。
 希望小売価格は、クリーム15g=2100円、液15g=2100円、スプレー15g=2600円。
スコルバEX武田薬品
スコルバEX  武田薬品は2月、抗真菌成分「塩酸ブテナフィン」に、かゆみ止め成分を加えた新しい水虫・たむし治療薬「スコルバEX」シリーズを新発売した。「塩酸ブテナフィン」は、2002年にスイッチOTCとして認可された成分で、1日1回の使用で優れた抗菌力と殺菌力を有する抗真菌成分で、水虫・たむしに対して優れた効果を発揮する。また、かゆみなどの症状を抑える成分として、「クロタミトン」「グリチルレチン酸」「l-メントール(クリームには含まず)」を、殺菌・消毒成分として「塩化ベンザルコニウム」を配合。剤形はジェット噴射式(エアゾール剤)、液剤、クリームの3タイプを揃えて、症状や好みによって選ぶことが出来る。
 店頭では、稲妻をモチーフに“殺菌力+かゆみ抑止力”を表現したシンボルマークをデザインした販促ツールを用意したほか、陳列にあたっては各剤形のサンプルを同時に展示できるように工夫。消費者が手にとって剤形ごとの使い方を実感できるようにしている。
 テレビCMは2月から投入。“殺菌力+かゆみ抑止力”をキャッチコピーに「男性篇」と「女性篇」の2バージョンを作成し、メインターゲットの男性と同時に、女性ユーザー拡大も狙う。
このほか、スコルバ専用サイト(http://www.scorba.jp/)も「スコルバEX」発売に合わせてリニューアルし、製品情報と疾患情報の強化を行った。疾患情報では、患者を完治に導くためのアドバイスを掲載している。
 希望小売価格は、「スコルバEX」(50mL)、「スコルバEX液」(15mL)、「スコルバEXクリーム」(15g)いずれも2079円。
ラミシールプラスノバルティス
ラミシールプラス  ノバルティスファーマの「ラミシールプラス」シリーズは、水虫の細胞膜を破壊して死滅させる殺真菌作用と水虫菌の細胞膜形成の必須要素であるエルゴステロールの合成を抑制して水虫菌の増殖を抑える静菌的作用を有するアリルアミン系殺真菌成分「塩酸テルビナフィン」を配合した水虫治療薬。かゆみを鎮めるクロタミトンや爽快な香りと清涼感をもたらすl-メントール、かゆみや赤みなど炎症を抑えるグリチルレチン酸も配合している。
 販促活動として同社は、初回出荷分に新発売と記載した特別パッケージを店頭に並べ、注目を集めるとともに製品のパッケージは、青を基調としたパッケージと女性にも手にとりやすいピンク色のパッケージを用意している。また、自分が水虫だと気付いていないなど、女性の潜在ニーズがあると考え、「あなたのカサカサは、水虫かもしれない」などと啓蒙するPOPやリーフレットの配布を行っている。TVCMでは、元格闘家の須藤元気氏を起用し、強い効き目感をアピールするほか、スイングPOPや商品棚のボード、リーフレットに須藤氏のTVCMと連動したカットを掲載し、交通広告やインターネットも活用している。
 希望小売価格は、クリーム10g=2205円、液10g=2205円、ジェット50ml=2625円。
ブテナロックV久光製薬
ブテナロックV  久光製薬の「ブテナロックV」シリーズは、水虫の原因菌である白癬菌の増殖初期段階で作用する殺菌成分の塩酸ブテナフィンを配合した水虫・たむし治療薬。塩酸ブテナフィンのほか、新たに4つのかゆみ止め成分である塩酸ジブカイン・マレイン酸クロルフェニラミン・グリチルレチン酸・l-メントールを配合した。また、成分が皮膚の角質層に長く留まるため1日1回患部に処方するだけで効果を発揮することに加え、低刺激でしみにくい。エアー剤はジェット噴射の冷却感で、特にかゆい水虫に悩んでいる人におすすめ。
 販促活動として同社は、新登場感と塩酸ブテナフィンとかゆみ止め成分配合という製品特徴を消費者に伝えるため、引き続き俳優の竹中直人氏を採用したTVCMや新聞広告、交通広告、雑誌広告などを実施している。
 希望小売価格は、クリーム15g=2310円、液15ml=2310円、スプレー20ml=2730円、エアー50ml=2730円。
メンソレータムエクシブロート製薬
 ロート製薬は、女性向け水虫治療薬「エクシブ」ブランドを展開、順調に売上高を伸ばしている。その要因について同社広報調査室は、「女性のニーズをつかんだ商品、プロモーションの成果」と分析している。
メンソレータムエクシブ  昨年リニューアル新発売した「メンソレータムエクシブスプレーc」と「メンソレータムエクシブクリームc」は、有効成分「塩酸テルビナフィン」を配合し、さらに角質層の奥深くにも有効成分がしっかり浸透する処方設計とした。
 また、女性向け水虫薬ならではの工夫を施している。スプレーはすぐに乾いてサラサラになり、噴霧しやすいノズルを採用し、クリームはべたつかないサラサラタイプで、先が細くて使いやすいチューブを採用した。パッケージも、水虫薬としての効果感を伝えながらも女性が買いやすいように工夫。女性にも手にとりやすいデザインはそのままに効果感をアップさせた。中身の容器には、一見水虫薬とは思えないようなシンプルなデザインを採用している。  プロモーションについては、テレビCMのほか、同社ホームページ(http://www.rohto.co.jp/ex/)で「製品紹介」「水虫マメ知識」のほか、女性を対象に行った水虫に関するアンケートの結果などを紹介している。
 希望小売価格は、「メンソレータムエクシブスプレーc」が70g/2100円、「メンソレータムエクシブクリームc」が15g/1680円。
(薬事ニュース 2008年5月30日号掲載)