ドリンク剤特集(1/2)
冷夏が響いた昨シーズンのドリンク剤市場
成分、効き目感アピールが浮上のカギ
 市場の縮小傾向が続くドリンク剤市場。気候の影響を受けやすいカテゴリーで、昨夏は日照時間が少なく冷夏だったため、市場縮小が続いている。また、規制緩和や値引き競争による価格の下落も市場に影響を与えており、薬局・薬店では売上げ減→陳列スペース縮小→意欲低下、といった悪循環に陥っているとも指摘される。食系チャネルでは機能性飲料などとの競合が厳しさを増している。
 市場規模は、1999年の規制緩和で拡大したが、00年度をピークに縮小しており、2006年(4‐12月)は、薬系100mlドリンク(医薬部外品含む)が前年同期比8%減の540億円。薬系ミニドリンク(医薬部外品含む)は3%減の590億円。薬系ルート全体では6%減の1130億円だった。一方、食系100mlドリンクは6%減の400億円、食系ミニドリンクは9%減の120億円、食系ルート全体では7%減の520億円。全チャネル合わせると1650億円だった。薬系ルートの売上高は食系の約2倍の規模となった。ただ、ミニドリンクは冬場のかぜの流行時期も需要期であるため年間を通すと、もう少し差は縮まると予想される。
 また、食系ルートを業態別に見ると、スーパーマーケット市場が前年同期比8%減、コンビニエンスストア(CVS)6%減、ホームセンター、ディスカウントストア(HC,DS)は6%減。スーパーマーケット市場では05年は伸びたが昨シーズンは減少した。
 市場が縮小する中、多くの社が売り上げ減を余儀なくされているが、各メーカーは、市場の活性化に向け「疲労回復」以外に女性をターゲットとした美容効果を効能に持つ新製品の開発、機能性飲料との差別化を図るための効能・効果の訴求強化といった戦略を展開している。
 ユーザーの裾野は広会っているものの、残業時間の減少や機能性飲料との競合などからユーザー1人当りの飲料本数が減っているとのデータもあり、新規ユーザーの獲得とともに、機能性飲料などの競合商品との差別化が課題だ。

市場規模表

推奨販売力でPB商品も貢献
美容、飲酒後など明確なコンセプトの医薬品ドリンクにも期待
住商ドラッグストアーズ 「トモズ赤坂店」
店頭写真 東京・神奈川・埼玉を中心にドラッグストア「トモズ」「メディコ」「アメリカンファーマシー」「コーエイドラッグ」の約100店の店舗展開を行う住商ドラッグストアーズ(東京都文京区、師岡伸生社長)。今回登場する同社の「トモズ赤坂店」(東京都港区赤坂)は、銀座線、丸の内線が乗り入れる東京メトロの赤坂見附駅から徒歩4、5分、飲食店が並ぶ一木通りに面している。赤を基調としたファサードに白抜きの「Tomodo’s」のロゴが印象的な路面店。半地下型の売場を有す店内では、医薬品(調剤含む)、コスメ、日用品のほか、靴修理やキーコピーコーナーなどもある。
 客層はTBSなどマスコミ関係、外資系企業が多いビジネス街でもあるため、平日は飲食店関係者のほか近隣のサラリーマン・OLも訪れる。休日は赤坂、青山在住の生活者がメイン客となる。
陳列棚 同店のドリンク剤は、入口を入ってすぐ右脇のオープンストッカーを中心陳列。約90アイテム揃える。取り扱いの範囲は、高・低価格帯、医薬品から医薬部外品、機能性飲料までバラエティに富む。ドリンク剤の客層に絞ってみると、やはり土地柄働く人たち、特にサラリーマンが多い。1本買って立ち飲みしたり、ケースで買ってオフィスで飲むといった感じだ。夜になると、飲食店で働く女性の利用が増すとのこと。
 最近は、同業他社やコンビニエンスストア(CVS)との競合が激しくなっていることもあり、「高価格帯(3~4000円)の動きは落ちており、低価格帯はさらに価格低下の波にさらされている」(布施義則店長)という。そのため、販売にあたっては、セルフでの購入を求める顧客には、そのニーズにあった価格設定に気をつけ、相談を求めてくる顧客が求めるような商品にはPOPで効能・効果などを付して説明することも心がけているという。
 高価格帯商品では「ユンケル黄帝液」(佐藤製薬)、プライベートブランド商品(PB)の「Hi-CORONA」(松本製薬)、「ユンケル黄帝L」(佐藤製薬)がよく売れる。低価格帯では、タウリンを200mg配合し100円を切る価格設定で人気のPB「メガビタンD」(日本薬剤)が最もよく売れ、以下「リポビタンD」、「エスカップ」(エスエス製薬)といった定番がよく動く。高・低価格帯共PBの売上が好調だが、「当初はあまり動かなかったが、地道な推奨販売を行った結果」(同)売上上位商品として、リピーター獲得につながっている。
 一方、最近の流れとして、“美容実感ドリンク”と銘打ったコラーゲンドリンク「うるおい美率」(ハウス食品)、ウコンエキスドリンク「ウコンの力」(同)、肝臓のためのドンク剤「ヘパリーゼ」(ゼリア新薬工業)など、美容や疲れに対する機能を売りにする商品も動き、「ニーズが多様化している」(同)とも指摘する。
 特に、これまで販売チャネルとしてはCVSでしか販売していなかった「うるおい美率」がドラッグストアでも販売されるようになり、今では医薬品、医薬部外品のオープンストッカーの一角で結構な存在感を出すまでになっている。また清涼飲料水のカテゴリーになるが、「ヘルシア緑茶」(花王)も販売当初はCVSチャネルしかなかったものの04年あたりからドラッグストアでも扱えるようになり、「規制緩和とはいわば逆の動き」として売上に貢献。一定の機能性を求めて購入する顧客のニーズを満たすひとつのカテゴリーを形成している。
 別の言い方をすれば、買う側からは医薬品、医薬部外品、清涼飲料の境界がさらに曖昧になってきているともいえる。現に、「お客さんは、疲れがひどい時は高いものを、いつもは低価格帯や機能性飲料をというような判断基準で購入して行っているようなところもある」(同)という。
 布施店長は、そうした状況下での今後の販売スタンスとして、「高価格帯のドリンク剤は風邪の時に仕事が忙しいのでドリンク剤とOTCで、という顧客に的確なアドバイスをし、信頼を得るとともに、CVSとは違うのだという差別化を図りたい。また同業のドラッグストアと比べてもそうした点では差別化を図りたい」という。「低価格帯のドリンク剤は値頃感への気の使い方と欠品がないように心がけ、機能を求める商品についてもCM等に連動して速やかに販売できる体制を整えたい」と語った。
 メーカーに対しては、爆発的なヒット商品を期待するとともに、「うるおい美率」「ウコンの力」など新たなカテゴリーの商品で、しかも「CVSにはない商品などがあるとありがたい」と言及。そして、「やはりドラッグストアはCVSとは違うので、機能性の高い商品をドラッグストアとしての知識をもとに情報提供し、推奨販売できるということをわかってもらえれば」と述べ、そうした薬局・薬店としての力が十分発揮できる医薬品ドリンク剤の発売、開発に期待した。

(薬事ニュース 2007年4月13日号掲載)
ドリンク剤特集(2/2)へ