ドリンク剤と薬局・薬店
ドリンク剤市場 続く減少傾向
多様化する製品 ターゲットは女性
 1999年の規制緩和以降、00年度をピークに縮小しているドリンク剤市場(駅売店、自販機、高速道路売店は除く)。業界の調べによると、04年度は出だしこそ猛暑で売上拡大への期待が膨らんだが、台風の相次ぐ上陸などの影響を受け前年を下回った。
 04年度のドリンク剤の市場規模は2240億円(前年同期比5.2%減)。ルート別に見ると、薬局・薬店ルートが1610億円(同5.5%減)。新チャネルが630億円(同4.5%減)。薬局・薬店ルートの減少幅が大きいのは、規制緩和による新範囲医薬部外品への移行や、景気の影響を受け高額商品の売り上げが低迷したと言える。 
 医薬部外品を販売チャネルごとに見ると、コンビニエンスストアは、4.2%減の320億円、スーパーマーケットは5.8%減の260億円、ホームセンターが2%増の50億円。ホームセンターでは2%の増となったが、これは冷夏だった一昨年の落ち込みが大きかったため。02年度比べると20%減少しており、「価格訴求(値引きで)で相場が崩れている」と小売関係者は指摘している。
05年度は、期が終了したばかりで集計にはもう少し時間が必要だが、各社の中間決算からは、厳しい状況が伺える。大正製薬では、リポビタンシリーズが前年同期比4.6%減、ゼナシリーズが8.8%減。「リポビタンD」のチャネル別売上高を見ると、薬系チャネル184億円(3.1%減)、食系チャネル210億円(1.4%減)だった。「リポビタンD」は、通期で2.3%減の692億円を見込んでいる。
また、エスエス製薬の「エスカップ群」も薬系ルート・食系ルートともに減少し、全体でも5.1%減少。通期でも1.9%の減少となる見通しだ。 市場が伸び悩む中、小売店では売上げ減→陳列スペース縮小→意欲低下、といった悪循環に陥っているとも指摘される。また、新チャネルでは機能性飲料などとの競合が厳しさを増している。
 そんな中、目立つのが製品の多様化。具体的に言えば、女性をターゲットにした新製品の増加だ。ドリンク剤といえば真っ先に「疲労回復」が効能として思い浮かぶが、女性をターゲットに、美容をキーワードにした製品が増えているのだ。大正製薬は昨年、ビタミンCを1本あたり、医薬部外品として最大量の1000mg配合した「アルフェVC」を発売。エスエス製薬も、美肌効果が期待されるローヤルゼリーを1本あたり300mg配合した「エスカップBplus(プラス)Bee」を昨年発売した。
 一方、三共(現・第一三共ヘルスケア)は、ドリンク剤が朝に多く飲まれることに着目し、朝に補給すると効果的とされるBCAA(分岐鎖アミノ酸)を配合した「スタートアップ リゲイン」など、シーンに合わせたアプローチでラインアップを充実させた。
 このほか、やすらぎをテーマにハイビスカスの香料を配合した「エスカップアロマ」(エスエス製薬)、滋養強壮効果に優れた3種類の生薬を配合し「医薬部外品リポビタンシリーズ最上位品」を謳う「リポビタンウインズエース」など、消費者のニーズに対応してさまざまな展開をしている。
 市場が伸び悩む中、各社は効き目や新たな訴求ポイントの構築など、新たな戦略を展開している。
(薬事ニュース 2006年4月21日号掲載)