オピニオン
喫煙シーンの復活
テレビドラマが好きなのでよく見るが、最近目に付くのが喫煙シーンだ。分煙や禁煙への意識が高まったこともあり、5年ほど前までは、特に地上波テレビでは喫煙シーンを見ることはほとんどなかった。喫煙シーンをドラマに盛り込んでいたのは、スポンサーがいないNHKと、深夜枠に力を入れ独自路線を行くテレビ東京ぐらいだったと思う。
ここ1.2年ほどで、各局の地上波ドラマ、ゴールデンタイムに放送しているものも含めて喫煙シーンをかなり見かけるようになったと感じる。特に深夜ドラマでは、作風がゴールデンのものと違うこともあるのだろうが、喫煙シーンがとりわけ多い。
理由としては大きく分けて2つあるのではないかと思う。1つはマンガや小説などが原作であるドラマが多いことだ。原作の登場人物が喫煙者ならばドラマでもその設定を引き継ぐことは全くおかしくないし、むしろ当然だと言える。もう1つ、これはかなり影響があると思うのだが、ネットフリックスなどの動画配信サービスが良質な作品を作り、テレビと肩を並べる存在にまでなったこと。これらの作品は地上波とくらべて規制が緩いこともあって、喫煙シーンを盛り込んだ作品を作っていることがあった。新興勢力によって、テレビの作り手側の意識も変化したと思っている。表現の自主規制が進んでいると指摘されるが、少しずつ潮目が変わりつつあるのかどうか注目していきたい。
(2022年9月2日掲載)
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